再演不可能と言われた寺山修司率いる演劇実験室◎天井桟敷が1978年に上演した見世物オペラ『身毒丸』。
2017年に総指揮/J・A・シーザー、新鋭バンド"シーザーと悪魔の家"の手によって初演を超える形で再演された『身毒丸』がノーカット完全版で遂に映像化!
1978年に演劇実験室◎天井桟敷が上演し、話題を呼んだ見世物オペラ『身毒丸』。2015年に続き2017年3月に演劇実験室◎万有引力がオリジナルの台本で再演を果たし、大好評を博した。
その『身毒丸』がJ・A・シーザーによる完全監修の元、遂にノーカットでDVD化。CDには"シーザーと悪魔の家"による音楽パートを収録したJ・A・シーザー渾身の呪術音楽集。
圧倒的な舞台セット、多種多様な楽器を用いた生演奏、壁のように覆いつくしてくる生歌、舞台上で暴れ狂う役者の破壊的なエネルギー。『身毒丸』の世界をDVD+CDで存分に堪能できる最終決定盤!
http://diskunion.net/jp/ct/detail/1007505065


今年の3月に公演した身毒丸の"最終"公演がCD+DVDで12/6発売となります。
2日間のマルチ録音・撮影素材からJ・A・シーザー全面監修のもと、ミキシング・マスタリングは自分が行い、映像は悪魔の家のベーシスト本郷拓馬が編集したもの。
本作の告知前に某クラウドファンディングで初日をノーカット収録したCDがリリースされる旨の発表がありましたが、そちらとはほぼ重複しない内容です。
素材録りは初日から2日間行われましたが、DVDは2日目のものをノーカットフル収録。
そしてCDはDVDと同じものを収録してもしょうがないだろうと思いシーザーと相談の上、初日・2日目からシーンを抜粋した上で、俳優陣の台詞を全てスタジオ収録した「ラジオドラマ”風”」作品。
過去の録音を振りかえっても、台詞が絡む部分はどうしてもマイクへの被りが尋常じゃないことになっていて、台詞・音楽双方が干渉してしまい迫力のある音にすることができなかった。台詞をアフレコしたことでバンドのボリュームを遠慮なく上げられたため、音の迫力は桟敷版も含め過去最高になっていると自負する。(普段、私を褒めないことで有名なJ・A・シーザーが珍しく「いい仕事したな」と言ってくだすったので、あながち自画自賛でもないと思う)

すでにyoutubeに上げられている本作の予告編。これはDVD本編とカットが異なり、バンドの方に焦点を当てた「紫瑠舞」版になっている。ではこっちのフル版はどこで見れんだよ、というと…。


身毒丸は今年の公演で最後、ということだったので簡単に過去2公演のバンドの機材回りとかを振り返ってみたいと思う。

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こちらは37年ぶりの再演となった2015年版の写真。


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下手側、シーザーと悪魔のリズム隊エリア。シーザーの叩く太鼓は和太鼓奏者でもある悪魔の家のドラマー田中まさよしの私物。銅鑼は32インチの大口径のものをマリア観音の木幡氏から借りたのだけど長年の正拳突きで割れていたため音が鳴らず、a_kira私物の22インチ(だったと思う)銅鑼で代用し、鳴らない銅鑼はバンド上手のエリアに飾りで設置された。その他、ティンパニ・スプラッシュ・チャイナ・クラッシュシンバル、パーカッションで拍子木・鈴等。脇に置かれている電子パッドが何用だったか、本当に使われたかは全く覚えていない。


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上手側の鍵盤周り。アップライトピアノの調律に合わせて、バンド全体のチューニングは441だった憶えがある。(ピアノの調律に合わせて全体をチューニングするってこの時初めて知った)ピアノ以外はハモンドオルガンとソリーナ音色用のRoland SH-201。ソリーナが印象的なのがこの時期のシーザー音楽のひとつの特徴だと思っていて、いずれ実機を手に入れたい。オルガンの上に地獄のオルフェ用の鈴も見える。


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上手側のa_kira周り。森岳史さんが存命中に当時の機材について質問したことがある。「適当だったからビッグマフとオートワウくらい。アンプはFenderだったはず」との事で、2015年はボードに現行のビッグマフを入れていた。推測だけど森さんはラムズヘッド期のものを使ってたんじゃないかと思う。アンプはFenderのHot Rod Delux(12*1の方)、ブースター用のオープンリールはSONY製で、入力ジャックをフォーンに交換、マスターボリュームを増設してある。この公演後ブッ壊れて倉庫行き。脇に置いたRoland FantomXはフィルターを絞ったシンセベース音とコンボオルガンの音色で使った。竿は言うまでもなくテレキャスター1本。桟敷による初演と万有による37年ぶりの再演、その両方の時に存在した。


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続いて最終公演となった2017年版より。


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下手側。悲願だった36インチの銅鑼が追加されたほか、小口径の銅鑼も設置。ドラム周辺にはアクリル板を設置。「復讐鬼」の舞踏では印象的な銅鑼の使われ方をしていた。


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上手側鍵盤エリア。2017年版ではピアノ専任がいないため、移動が間に合わないこともありピアノ脇にオルガンとSH-201へそれぞれMIDI接続された鍵盤が2台置いてある。上段のYAMAHA DXはシーザーの私物で、90年代の万有引力の劇伴の録音で多用された。


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下手側a_kiraエリア。アンプはMarshallのスタックVintage Modernに変更。鍵盤はYAMAHAのコンボオルガンYC-30とKorgのアナログモノシンセMS-20初期型(シーザー私物)。前回、スペース削減の為とはいえデジタルシンセ特有のキラッキラ感が妙に浮いた気がして身毒丸に合っていたとは思えず、今年はヴィンテージの物を引っ張り出してみた。YC-30は当時とは別個体だけど桟敷時代に国境巡礼歌等で使われたもので、リボンコントローラーとファズを搭載したブッ飛んだ名機。テープエコーに通すとパイプオルガンのように重厚な音色が印象的な1台。MS-20は柳田國男のシーンで使用、こちらは80年代の万有引力の劇伴で多用された。アナログモノシンセ特有の太い音色が特徴。いずれもテープエコーのシミュレータに通している。
オープンリールはAKAI製に入れ替え。サウンドオンサウンド機能付きなので背面の入出力端子を色々繋げるとエコー音が出る。録音レバーのロックを撤去した以外は無改造で、SONY製と比べるとよりファズっぽい暴れる音が特徴。公演時はキャプスタンモーターが死んでエコーが使えなかったのでブースターのみの使用。
竿はFender製ストラトを追加、前年の「愚者たちの機械学」から導入した。ラージヘッド・アッシュボディ・メイプル指板でピックアップはレースセンサーのゴールド。ブリッジはフローティングさせてある。手持ちのギターの中でも扱いやすさが断トツな事もあり最近のメイン。今回は地獄のオシラガミ・復讐鬼・死ね死ね南無阿弥陀仏など新解釈の要素が多い曲で弾いている。


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ボード回りは全面的に刷新、少しでも仕込み時間を短縮するためスノコボードを自作した。各ペダルは直接ボード本体にネジ留めして、パッチケーブルだけは抜き差しできるようにスペースを空けてある。接続はテレキャス・ストラトそれぞれからの入力を切り替えるスプリッターからワウペダル→歪み系→アンプのプリ部→アンプのセンド→モジュレーション系→空間系→ボリュームペダル→アンプのリターン。歪み部のOneControl製のルーパーはリードを取る際に踏む用で、オープンリールとninevolt製ファズにそれぞれ繋がっておりスイッチで切り替えられる。ninevolt製ファズはシビルウォー期マフのコピーで、デヴィットギルモアライクな感じ。現行マフより断然扱いやすい。

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そんなわけでフル収録の映像も含めた決定盤「光来復活した大歌劇◉身毒丸」は12/6発売。よろしくお願いします。

ライブお知らせ

渋谷ラ・ママ35周年スペシャル記念でシーザーのワンマンが開催されます。演奏はシーザーと悪魔の家、身毒丸から引き続き強力なコーラス陣も出演します。2017年の締めくくりでアレンジはより緻密に、恒例のウン十年ぶりに演奏される曲もあったりしますので見逃し厳禁。こちらも何卒よろしくお願いします。

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J・A・シーザー◉伝奇音楽会
「螽蟖歌」
―自奏琴舟を漕ぐ夜―
日時:2017年12月20日(水)
会場:渋谷ラ・ママ
開場:18時30分 開演:19時00分
前売り:4000円(D別) 当日:4500円(D別)